官公庁ホームページの7割以上が公共サイトとしての品質に問題
- アライド・ブレインズ、中央省庁・独立行政法人・特別民間法人310ウェブサイトのアクセシビリティ・ユーザビリティ調査結果を発表 -

【プレスリリース】 報道関係者各位

2012年8月10日
アライド・ブレインズ株式会社

アライド・ブレインズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役:大野勝利、以下、アライド・ブレインズ)は、この度官公庁ウェブサイトのアクセシビリティ・ユーザビリティ品質を調査する「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 中央省庁・独法・特別民間法人編第6回(以下、本調査)」を実施し、調査結果を発表いたします。本調査では、対象とした310の官公庁公式ウェブサイトのうち7割以上にあたるサイトで、最も基本的なアクセシビリティ上の対応に問題があり、公共サイトとして求められる要件を満たしていない状況が明らかになりました。

調査の背景と目的

我が国では公共サイトのアクセシビリティ対応を推進するため、ホームページのJIS規格である「JIS X 8341-3:2010」(2010年8月改正公示)、総務省「みんなの公共サイト運用モデル」(2011年3月改定)といった規格や指針が定められており、すべての公共サイトは「高齢者や障害者を含むすべての人々が利用可能であること」を求められています。

一方、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)の「電子行政に関するタスクフォース」が2012年6月に公表した「電子行政オープンデータ戦略に関する提言」には、透明性や国民の行政参加の観点からの情報公開に加えて、「国民による情報の利活用」が明示されるなど*、利用者観点での利便性確保が喫緊の課題となっています。
*電子行政に関するタスクフォース「電子行政オープンデータ戦略に関する提言」(2012年6月20日公表)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/denshigyousei/honbun.pdf

本調査は、アライド・ブレインズが、より多くの利用者が等しく快適に情報を入手できるインターネット社会の実現に貢献することを目指し、2006年から公共サイトを対象に自主的に実施しているものです。2006年から発表してきたのべ4572サイトの調査結果は、公共サイト改善の共通指標として広く活用されています。

中央省庁・独法・特別民間法人編第6回総評

本調査で対象310サイトの品質を評価したところ、弊社がアクセシビリティ対応のスタートラインと位置づけている「Aレベル」は81サイト(26.3%)に過ぎず、依然7割以上の官公庁サイトは最低限の品質を満たしていないことが明らかになりました。対応途上と考えられる「Bレベル」が27サイト(8.8%)、対応に着手した段階と考えられる「Cレベル」が69サイト(22.4%)、対応不十分と考えられる「Dレベル」が74サイト(24.0%)、対応未着手と考えられる「Eレベル」は57サイト(18.5%)でした。

「JIS X 8341-3:2010」をはじめとする規格・指針が求める水準を確保するためには、弊社調査における「A-aレベル」到達以上の対応が不可欠ですが、「A-aレベル」のサイトは1件にとどまることが明らかになりました。

具体的な問題点としては、ナビゲーションのメニュー画像に代替テキストが付与されていない例、見出しを示すタグ(hタグ)がない例などを確認しており、利用者によって情報取得の妨げになっています。

集計結果一覧
到達レベル 中央省庁 独立行政法人 特別民間法人 全体
件数 比率 件数 比率 件数 比率 件数 比率
A 49 15.9% 22 7.1% 10 3.2% 81 26.3%
A-a 1 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.3%
A-b 0 0.0% 1 0.3% 0 0.0% 1 0.3%
A-c 1 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.3%
A-d 4 1.3% 1 0.3% 1 0.3% 6 1.9%
A-e 43 14.0% 20 6.5% 9 2.9% 72 23.4%
B 17 5.5% 9 2.9% 1 0.3% 27 8.8%
C 38 12.3% 23 7.5% 8 2.6% 69 22.4%
D 44 14.3% 24 7.8% 6 1.9% 74 24.0%
E 22 7.1% 22 7.1% 13 4.2% 57 18.5%
総計 170 55.2% 100 32.5% 38 12.3% 308 100.0%

評価方法および調査結果の詳細は、別紙およびウェブアクセシビリティ総合サイトA.A.O.をご参照ください。
http://www.aao.ne.jp/research/cronos2/2012_gov6/specs.html

第5回調査結果からの変化

本調査結果のうち、2011年に実施した第5回調査との比較が可能な199サイトについて変化を比較したところ、25サイトは前回評価よりも改善しています。一方、評価の下がったサイトが16例見つかっており、「情報量の多さ」「更新頻度の高さ」「複数部署での運営管理」といった特徴を持つ公共サイトが一定以上の品質レベルを維持するには、サイト全体の品質を隈なく定期的に把握したうえ、改善の取り組みを日々継続していく必要があると考えられます。

本調査で明らかになった現状は、重要な情報を遍く国民へ届けるという公共サイト本来の役割が十分に発揮できていないことを示しており、改善へ向けた一層の努力が望まれます。アライド・ブレインズは今後も、客観的な指標で公共機関ウェブサイトのウェブクオリティ評価をお伝えし、公共サイトの品質改善を通じて「すべてのサイト利用者」の利便性向上に貢献してまいります。

アライド・ブレインズ株式会社について
調査・コンサルティングファーム。アクセシビリティを中心としたウェブサイトの品質確保・向上に関し、総務省推進プロジェクト支援、官公庁・自治体・企業のコンサルティングなど多数の実績がある。
2004年7月「WebアクセシビリティJIS規格完全ガイド」、2010年11月「Webアクセシビリティ完全ガイド」を日経BP社より刊行。ウェブアクセシビリティのJIS規格(JIS X 8341-3)検討委員、総務省「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」運営支援。「みんなの公共サイト運用モデル」に関しては、総務省より委託を受け検討支援を担当。

A.A.O.について
Allied-Brains Accessibility Online。自社運営のウェブサイトを核にした、提供者と利用者のための公共機関ウェブサイト品質向上支援プロジェクト。サイト及びメールマガジン、セミナーを通じ、関連情報や支援ツール、また制作者・提供者と利用者の連携支援サービスなどを提供している。

【A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査について】
独自開発したウェブサイトの品質解析プログラム「CRONOS2(クロノス2)」を用いて、対象ウェブサイトの全ファイルを解析し、アクセシビリティの観点からウェブサイトの品質を評価する。より多くの公共機関ウェブサイトが「誰にとっても使いやすい」ものとなるよう、自団体ウェブサイトの現状を認識し、改善の取り組みの指針としていただくことを目的に、2006年より毎年自主的に本調査を実施・発表してきた。2012年は中央省庁、独立行政法人、特別民間法人、地方自治体、政党を含む1177団体の公式ホームページ調査結果を発表予定。

過去の「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」調査結果

CRONOS2について
ホームページごとに同一ドメイン内の全ファイルを解析し、ウェブアクセシビリティをはじめとするサイト全体の問題点をレポートする、アライド・ブレインズの独自開発プログラム。自治体、政党、官公庁、独立行政法人等を対象とした自主調査、また個別クライアントからの受託を通じ、2011年8月現在約4572サイト(今後の発表予定を含む)の解析実績がある。

中央省庁・独法・特別民間法人編第6回の結果詳細(A.A.O.サイト)

評価方法および調査結果の詳細は、ウェブアクセシビリティ総合サイトA.A.O.をご参照ください。

本プレスリリースに関するお問い合わせ

アライド・ブレインズ株式会社 担当:目次(めつぎ)、大久保、清水
Tel:03-3261-7431  Fax:03-3261-7432 e-mail:office@a-brain.com
〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-6-8 トミービル3 2階

アライド・ブレインズ「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 中央省庁・独法・特別民間法人編第6回」の概要