自治体ホームページの7割以上が公共サイトとしての品質に問題
- アライド・ブレインズ、自治体685ウェブサイトのアクセシビリティ・ユーザビリティ調査結果を発表 -

【プレスリリース】 報道関係者各位

2012年9月5日
アライド・ブレインズ株式会社

アライド・ブレインズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役:大野勝利、以下、アライド・ブレインズ)は、自治体ウェブサイトのアクセシビリティ・ユーザビリティ品質を調査する「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 自治体編第7回(以下、本調査)を実施し、各団体の調査結果を本日情報提供サイト「A.A.O. (http://www.aao.ne.jp/)」に公開しました。
本調査では、対象とした685の自治体公式ウェブサイトのうち7割以上にあたるサイトで、最も基本的なアクセシビリティ上の対応に問題があり、公共サイトとして求められる要件を満たしていない状況が明らかになりました。

調査の背景と目的

我が国では、公共サイトのアクセシビリティ対応を推進するため、ホームページのJIS規格「JIS X 8341-3:2010」(2010年8月改正公示)、総務省「みんなの公共サイト運用モデル」(2011年3月改定)といった規格や指針が定められており、すべての公共サイトは「高齢者や障害者を含むすべての人々が利用可能であること」を求められています。また、先の東日本大震災以降、自治体サイトには正確な情報を迅速に発信する手段としての役割が一層期待されており、多様な利用環境への対応や利用者観点での利便性確保が喫緊の課題となっています。

本調査は、アライド・ブレインズが、より多くの利用者が等しく快適に情報を入手できるインターネット社会の実現に貢献することを目指し、2006年から公共サイトを対象に自主的に実施しているものです。2006年から発表してきたのべ4560サイトの調査結果は、公共サイト改善の共通指標として広く活用されています。

自治体編第7回総評

本調査で対象685サイトの品質を評価したところ、弊社がアクセシビリティ対応のスタートラインと位置づけている「Aレベル」は193サイト(28.3%)に過ぎず、依然7割以上の自治体サイトは最低限の品質を満たしていないことが明らかになりました。対応途上と考えられる「Bレベル」が158サイト(23.2%)、対応に着手した段階と考えられる「Cレベル」が156サイト(22.9%)、対応不十分と考えられる「Dレベル」が116サイト(17.0%)、対応未着手と考えられる「Eレベル」は59サイト(8.7%)でした。

集計結果一覧
到達レベル 全体 都道府県 政令市 特別区 4万人以上の市
件数 比率 件数 比率 件数 比率 件数 比率 件数 比率
A 193 28.3% 16 2.3% 8 1.2% 8 1.2% 161 23.6%
A-a 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%
A-b 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1%
A-c 3 0.4% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 0.4%
A-d 28 4.1% 1 0.1% 1 0.1% 2 0.3% 24 3.5%
A-e 161 23.6% 15 2.2% 7 1.0% 6 0.9% 133 19.5%
B 158 23.2% 16 2.3% 5 0.7% 10 1.5% 127 18.6%
C 156 22.9% 9 1.3% 5 0.7% 4 0.6% 138 20.2%
D 116 17.0% 5 0.7% 2 0.3% 1 0.1% 108 15.8%
E 59 8.7% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 58 8.5%
総計 682 100.0% 47 6.9% 20 2.9% 23 3.4% 592 86.8%

※コンテンツ記述の特性などが原因で解析が適切に行えない3サイトは発表対象外。
※評価方法および調査結果の詳細は、ウェブアクセシビリティ総合サイトA.A.O.をご参照ください。
http://www.aao.ne.jp/research/cronos2/2012/index.html

「JIS X 8341-3:2010」「みんなの公共サイト運用モデル」をはじめとする規格・指針が求める水準を確保するためには、弊社調査における「A-aレベル」到達以上の対応が不可欠ですが、「A-aレベル」のサイトは今回該当がありませんでした。
具体的な問題点としては、ナビゲーションのメニュー画像に代替テキストが付与されていない例、見出しを示すタグ(hタグ)がない例などを確認しており、利用者によっては情報取得の妨げになっています。

第6回調査結果からの変化

本調査結果のうち、2011年に実施した第6回調査との比較が可能な601サイトについて変化を比較したところ、136サイトは前回評価よりも改善した一方、評価の下がったサイトが49例見つかりました。「情報量の多さ」「更新頻度の高さ」「複数部署による運営管理」といった特徴を持つ自治体サイトが一定以上の品質レベルを維持するには、サイト全体の品質を隈なく定期的に把握したうえ、改善の取り組みを日々継続していく必要があると考えられます。

サイト規模や地域による温度差

サイトの規模別では、HTML数10万ページ以上の6サイトで「D」レベル以下の比率が最も高かった(66.7%)一方、これに次ぐ規模の5万ページ〜10万ページ未満では「A」レベルの比率が最も高く(33.3%)、比較的大規模な都道府県、政令市においてサイト全体を対象にした改善の取組みが進み始めたと考えられます。
また、地方別の「A」レベル到達自治体比率は、近畿地方で38.2%、関東地方で36.0%と3分の1を上回った一方、九州・沖縄地方では9.0%にとどまり「E」レベルが19.1%に上るなど、地域間の違いが明らかになっています。

本調査で明らかになった現状は、重要な情報を遍く国民へ届けるという公共サイト本来の役割が十分に発揮できていないことを示しており、改善へ向けた一層の努力が望まれます。アライド・ブレインズは今後も、客観的な指標で公共機関ウェブサイトのクオリティ評価をお伝えし、公共サイトの品質改善を通じて「すべてのサイト利用者」の利便性向上に貢献してまいります。

調査概要

調査の実施概要および本調査におけるサイト品質の考え方は、調査概要のページをご参照ください。

自治体編第7回の結果詳細(A.A.O.サイト)

評価方法および調査結果の詳細は、ウェブアクセシビリティ総合サイトA.A.O.をご参照ください。

関連情報

アライド・ブレインズ株式会社について
調査・コンサルティングファーム。アクセシビリティを中心としたウェブサイトの品質確保・向上に関し、総務省推進プロジェクト支援、官公庁・自治体・企業のコンサルティングなど多数の実績がある。
2004年7月「WebアクセシビリティJIS規格完全ガイド」、2010年11月「Webアクセシビリティ完全ガイド」を日経BP社より刊行。ウェブアクセシビリティのJIS規格(JIS X 8341-3)検討委員、総務省「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」運営支援。「みんなの公共サイト運用モデル」に関しては、総務省より委託を受け検討支援を担当。

A.A.O.について
Allied-Brains Accessibility Online。自社運営のウェブサイトを核にした、提供者と利用者のための公共機関ウェブサイト品質向上支援プロジェクト。サイト及びメールマガジン、セミナーを通じ、関連情報や支援ツール、また制作者・提供者と利用者の連携支援サービスなどを提供している。

【A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査について】
独自開発したウェブサイトの品質解析プログラム「CRONOS2(クロノス2)」を用いて、対象ウェブサイトの全ファイルを解析し、アクセシビリティの観点からウェブサイトの品質を評価する。より多くの公共機関ウェブサイトが「誰にとっても使いやすい」ものとなるよう、自団体ウェブサイトの現状を認識し、改善の取り組みの指針としていただくことを目的に、2006年より毎年自主的に本調査を実施・発表してきた。2012年は中央省庁、独立行政法人、特別民間法人、地方自治体、政党を含む1007団体の公式ホームページ調査結果を発表予定。

過去の「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」調査結果

CRONOS2について
ホームページごとに同一ドメイン内の全ファイルを解析し、ウェブアクセシビリティをはじめとするサイト全体の問題点をレポートする、アライド・ブレインズの独自開発プログラム。自治体、政党、官公庁、独立行政法人等を対象とした自主調査、また個別クライアントからの受託を通じ、2012年8月現在4560サイトの解析実績がある。

本プレスリリースに関するお問い合わせ

アライド・ブレインズ株式会社 担当:目次(めつぎ)、大久保、清水
Tel:03-3261-7431  Fax:03-3261-7432 e-mail:office@a-brain.com
〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-6-8 トミービル3 2階

アライド・ブレインズ「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 自治体編第7回」の概要