国のホームページ約55%(80万ページ超)が障害者・高齢者配慮のJIS規格最低基準を満たさず〜問題ページが約4万5千増加〜
- ウェブアクセシビリティの全ページ調査結果を発表【国(府省庁等)】 -

【プレスリリース】 報道関係者各位

2015年3月12日
アライド・ブレインズ株式会社
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この度、国(府省庁、国会、裁判所等)のホームページ50サイトの全ページを対象に、高齢者・障害者のホームページ利用への配慮(ウェブアクセシビリティ)に関するJIS規格(JIS X 8341-3:2010)への対応状況について検証プログラムを用いて調査しました。
本調査で、国のホームページの約55%に、JIS規格で最低限遵守すべき「達成等級A」の問題が確認されました。

調査の背景

ウェブアクセシビリティとは「高齢者や障害者といった、ホームページ等の利用になんらかの制約があったり利用に不慣れな人々を含めて、誰もがホームページ等で提供される情報や機能を支障なく利用できること」を意味します。2011年4月に、総務省より「みんなの公共サイト運用モデル(2010年度改定版)」が公開され、国及び地方公共団体はJIS規格の達成等級AAへ準拠することが求められています。

国内では、2016年4月に予定されている障害者差別解消法の施行に向けて、政府は2月24日に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」を閣議決定しました。現在公開されているホームページには未だ多数の問題があることが明らかとなり、今後、公共機関にはこれまで以上にウェブアクセシビリティ対応を推進することが求められています。

総務省チェックツールの基準で公開されている全ページを調査

本調査は、弊社が開発した「全ページJIS検証プログラムAion(アイオン)」を用い、50サイトの公開されている全ページを対象に、JIS規格対応を調査しました。
Aionは、総務省が開発し広く一般に無償提供しているJIS規格対応検証ツールmiChecker(エムアイチェッカー)に準じたチェック項目と基準で、公開されている全ページを一括で検証するものです。

調査結果概要

本調査では、50の府省等サイトの合計1,469,477ページのうち806,664ページ(54.89%)でJIS規格の達成等級Aの対応に問題があることが確認されました。2013年の調査実施時から問題のあるページが約4万5千ページ増加しています。
同一ページに複数の問題があるページも多数あることから、改善を検討すべき箇所数は府省庁等サイトのホームページ全体で合計3,530,697箇所確認されました。
また、個別のサイトについては、18の府省等サイトで、達成等級Aに問題のあるページが1万ページ以上あることが確認されました。問題のある割合は、最も少なかったサイトで3.28%、最も多かったサイトで100.00%でした。(表1参照)

表1:団体別の達成等級Aに問題があるページの割合(問題の割合が少ない順)
No. 団体名 公開されている全ページのうち、等級Aに問題のあるページの割合 等級Aの問題の箇所数
1 公害等調整委員会 3.28% 35
2 内閣府 5.91% 1,252
3 参議院 9.24% 18,271
4 公安調査庁 9.41% 101
5 裁判官訴追委員会 10.00% 5
6 内閣法制局 14.09% 346
7 公正取引委員会 15.21% 9,187
8 会計検査院 16.73% 183
9 復興庁 17.07% 1,279
10 中央労働委員会 18.63% 147
11 裁判官弾劾裁判所 20.18% 112
12 気象庁 20.37% 17,462
13 衆議院 23.14% 22,854
14 総務省 26.22% 169,939
15 資源エネルギー庁 26.30% 7,311
16 国税庁 30.00% 16,328
17 宮内庁 34.94% 5,800
18 文部科学省 35.02% 113,800
19 財務省 36.34% 17,459
20 経済産業省 36.72% 97,120
21 文化庁 37.14% 11,266
22 環境省 40.88% 144,578
23 金融庁 40.91% 23,733
24 国立国会図書館 41.75% 243,999
25 外務省 47.10% 197,332
26 地方公共団体情報システム機構 52.28% 6,381
27 特許庁 57.18% 97,668
28 農林水産省 58.37% 181,606
29 内閣官房 65.04% 3,164
30 中小企業庁 67.74% 61,716
31 法務省 73.59% 41,034
32 国土交通省 76.16% 438,616
33 原子力規制委員会 78.78% 135,946
34 海上保安庁 79.96% 90,335
35 防衛省 80.58% 326,129
36 消費者庁 82.10% 18,024
37 厚生労働省 84.01% 449,770
38 検察庁 87.56% 14,431
39 消防庁 88.10% 30,076
40 首相官邸 89.17% 257,810
41 警察庁 90.63% 29,817
42 観光庁 93.95% 22,190
43 人事院 96.99% 8,190
44 国家公安委員会 97.77% 1,908
45 裁判所 98.92% 11,672
46 運輸安全委員会 99.88% 4,581
47 日本銀行 99.91% 16,388
48 水産庁 99.98% 21,153
49 公安審査委員会 100.00% 44
50 林野庁 100.00% 142,149

達成等級Aに該当する25の達成基準の中で、特に「問題あり」のページの割合が最も高かったのは、以下の達成基準でした。(図1参照)

 図1:達成等級Aの達成基準別「問題あり」のページ割合
(問題の多い達成基準上位10位)

図1のグラフ。クリックしてテキスト説明文へ。

総務省「みんなの公共サイト運用モデル(2010年度改定版)」では、各公共機関が自団体ホームページの現状や運用の事情を踏まえ改善計画を立案し実行することが求められています。

弊社では、本調査により各公共機関公式ホームページで公開されている全ページのJIS対応状況を明らかにし、結果の公表、解説セミナーの実施等を通じて、公共機関ホームページのウェブアクセシビリティ向上に貢献してまいります。

調査概要

1.調査対象

e-Gov(イーガブ)の下記ページに掲載の50団体の公式ホームページ。

※各団体名からリンクしているページに掲載されている地方支部局や独立行政法人等の関連サイトは対象外

【対象50団体(e-Govでの掲載順)】
首相官邸、内閣官房、内閣法制局、人事院、内閣府、宮内庁、公正取引委員会、国家公安委員会、警察庁、金融庁、消費者庁、復興庁、総務省、公害等調整委員会、消防庁、法務省、検察庁、公安審査委員会、公安調査庁、外務省、財務省、国税庁、 文部科学省、文化庁、厚生労働省、中央労働委員会、農林水産省、林野庁、水産庁、経済産業省、資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁、国土交通省、観光庁、気象庁、運輸安全委員会、海上保安庁、環境省、原子力規制委員会、防衛省、会計検査院、衆議院、参議院、裁判官弾劾裁判所、裁判官訴追委員会、国立国会図書館、裁判所、日本銀行、地方公共団体情報システム機構

2.調査期間

2015年1月5日〜1月28日

3.調査方法

アライド・ブレインズが開発した「全ページJIS検証プログラムAion(アイオン)」を用い、調査対象ホームページの公開されている全ページを対象に、JIS規格対応を調査した。
Aionは、総務省が開発し広く一般に無償提供しているJIS規格対応検証ツールmiChecker(エムアイチェッカー)のチェック項目と基準に準じて、公開されている全ページを一括で検証するもの。
本調査はmiChecker ver1.0の基準により機械的な検証を実施し明らかな問題があると判定された箇所について集計を行った。JIS規格に基づき人の判断を含めた確認を行った場合、本調査の結果以上に問題が確認される可能性が高い。また、問題と判定された箇所には、ページの内容等を含めて人による確認を行った場合、問題がないとの判断に至るものが含まれている可能性がある。
なお、miCheckerがHTML5に対応していないことが原因でエラーが発生する場合がある。

【ウェブアクセシビリティについて】
高齢者や障害者といった、ホームページ等の利用になんらかの制約があったり利用に不慣れな人々を含めて、誰もがホームページ等で提供される情報や機能を支障なく利用できること。ウェブアクセシビリティ配慮の基準であるJIS X 8341-3:2010が2010年8月に改正公示された。特に、官公庁や自治体をはじめとする公的機関のホームページは、総務省が2011年4月に発表した「みんなの公共サイト運用モデル」に基づき、JIS X 8341-3:2010に対応することが求められている。

【JISの達成等級・達成基準について】

【総務省「miChecker」について】
総務省が開発し広く一般に無償提供しているアクセシビリティチェックツール。1ページずつ検証を行う。

【Aionについて】
公共機関のウェブアクセシビリティ検証のために総務省が開発し提供しているアクセシビリティチェックツール「miChecker(エムアイチェッカー)」のチェック項目と基準に準じて、ホームページの全ページを一括して検証するプログラム。総務省の公開するmiCheckerのソースコードを活用しアライド・ブレインズが開発。

【アライド・ブレインズ株式会社について】
調査・コンサルティングファーム。ウェブサイトの品質確保・向上に関し、総務省推進プロジェクト支援、官公庁・自治体・企業のコンサルティングなど多数の実績がある。
2004年7月「WebアクセシビリティJIS規格完全ガイド」、2010年11月「Webアクセシビリティ完全ガイド」を日経BP社より刊行。JIS X 8341-3検討委員。ウェブアクセシビリティ基盤委員会WG1及びWG3委員。総務省より委託を受け「みんなの公共サイト運用モデル」検討支援を担当。

【A.A.O.について】
自社運営のウェブサイトを核にした、提供者と利用者のための公共機関ウェブサイト品質向上支援プロジェクト。サイト及びメールマガジン、セミナーを通じ、関連情報や支援ツール、改善支援サービスなどを提供している。

本プレスリリースに関するお問い合わせ

アライド・ブレインズ株式会社 担当:米田、大久保
Tel:03-3261-7431  Fax:03-3261-7432 e-mail:office@aao.ne.jp
〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-6-8 トミービル3 2階