自治体ホームページの8割以上が公共サイトとしての品質に問題
- アライド・ブレインズ、第12回調査結果を発表 -
【プレスリリース】 報道関係者各位
2017年9月26日
アライド・ブレインズ株式会社
印刷用リリース(PDF形式、358KB)
アライド・ブレインズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役:大野勝利、以下、アライド・ブレインズ)は、自治体ウェブサイトのアクセシビリティ(高齢者・障害者の利用への配慮)、ユーザビリティ(使いやすさ)等の品質を調査する「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 自治体編第12回(以下、本調査)を実施し、各団体の調査結果を情報提供サイト「A.A.O. (http://www.aao.ne.jp/)」に公開しました。
本調査で、対象861団体(都道府県、政令市、その他全市、特別区)の公式ウェブサイトのうち8割以上に、基本的な対応の問題があることが明らかになりました。
アライド・ブレインズは今後も、客観的な指標により調査を継続し、公共機関ウェブサイトの利便性向上に貢献してまいります。
調査の背景と目的
アライド・ブレインズは、公共機関ウェブサイトの品質分析に関し、2001年の総務省ウェブアクセシビリティ実証実験から現在に至るまで、様々な形で携わってまいりました。当時の公共機関ウェブサイトは、アクセシビリティ、ユーザービリティの観点で、今より著しく品質が悪い状態にありました。また、ウェブサイト全体の品質を客観的に明らかにする調査が存在していなかったため、公共機関のご担当者が、その実態を把握する術がないという問題がありました。
そのような状況を踏まえ、アライド・ブレインズでは、総務省「みんなの公共サイト運用モデル」の作成を担当した2005年の翌年、2006年より、全国の公共機関ウェブサイトの品質を客観的な指標で調査する「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」を開始し、改善の指標として活用いただけるように、結果要旨をA.A.O.ウェブサイトにて公開しております。本年で12年目に入る本調査は、府省庁、地方公共団体、独立行政法人等の多数の公共機関において、リニューアルや改善の取組の目標設定等に広く活用され、継続のご要望を多数頂戴しております。
自治体編第12回総評
本調査で対象861団体の公式ウェブサイトの品質を9段階のレベルで評価したところ、弊社が公共機関ウェブサイトの品質確保のスタートラインと位置づけている「Dレベル」以上は139サイト(16.1%)に過ぎず、8割以上は基本的な品質を満たしていないことが明らかになりました。
<利用者の情報取得や操作の妨げとなっていると考えられる具体的な問題点の例>
- 掲載されている画像に画像の説明となる「代替テキスト」を付与していないために、全盲の利用者等が利用する音声読み上げソフトには画像の存在が伝わらない。
- 「こちら」という言葉のみにリンクが張られているために、音声読み上げソフトでリンクだけを読み上げる機能を使った場合に、リンク先のページの内容を予測できない。
レベル | サイト数 | 評価 |
---|---|---|
A | 0 | サイト全体で全項目とも十分対応しており、管理が行き届いている |
B | 5 | サイト全体でナビゲーション、リンク/タイトルについて十分対応している |
C | 19 | サイト全体でナビゲーション、リンク/タイトル、コンテンツ表現について対応が進んでいる |
D | 115 | サイト全体でナビゲーション、リンク/タイトル、コンテンツ表現について対応に着手している 【Dレベル以上が公共機関ウェブサイト品質確保のスタートライン】 |
E | 454 | 画像代替・構造化については基準を満たしているが、ナビゲーション、リンク/タイトル、コンテンツ表現については対応不十分である |
F | 104 | サイト全体で画像代替・構造化ともに対応している |
G | 76 | 画像代替・構造化ともに対応に着手している |
H | 46 | 画像代替が不十分である/構造化の着手が遅れている |
I | 42 | 画像代替が不十分なページが極めて多い |
過去にレベルが低下したことがあるサイトは36.4%
2006年の開始以降、過去12回の調査結果を分析すると、自治体サイト全体のレベルは毎年少しずつ上がっていることが分かります。一方で、個別の団体の経年推移を見ると、レベルが低下したことがあるサイトは36.4%あり、現在Dレベル以上を実現している団体も3割以上のサイトが過去にレベル低下を経験しています。
品質レベルを低下させずに維持するには、ウェブサイト全体の品質を定期的に把握し、改善の取り組みを日々継続していく必要があると考えられます。
調査概要と結果詳細
ウェブアクセシビリティ総合サイトA.A.O.をご参照ください。
関連情報
【アライド・ブレインズ株式会社】
調査・コンサルティングファーム。ウェブサイトの品質確保・向上に関し、総務省推進プロジェクト支援、官公庁・自治体・企業のコンサルティングなど多数の実績がある。ウェブアクセシビリティのJIS規格(JIS X 8341-3:2016)改正原案検討委員。「みんなの公共サイト運用ガイドライン」に関しては、総務省からの請負により作成を担当。
【A.A.O.について】
自社運営のウェブサイトを核にした、公共機関ウェブサイト品質向上支援プロジェクト。サイト及びメールマガジン、セミナーを通じ、関連情報を提供している。
【CRONOS2について】
ウェブサイトの全ファイルを解析し、サイト全体の問題点をレポートする、アライド・ブレインズの独自開発プログラム。公共機関を対象とした自主調査、また個別クライアントからの受託を通じ、2017年9月現在のべ10,453サイトの解析実績がある。
本プレスリリースに関するお問い合わせ
アライド・ブレインズ株式会社 担当:米田、杉木
Tel:03-3261-7431 Fax:03-3261-7432 e-mail:office@aao.ne.jp
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